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Home > コラム > 第8回 クレゾール臭による異臭が心を込めた食べ物をまずくする?
第8回
クレゾール臭による異臭が心を込めた食べ物をまずくする?
心を込めて作った料理が、気付かない所から発生した異臭によってまずくなっていたら、それは本当に残念な事です。 調理電化製品は加熱される事が多いので、時々異臭を発する事があります。 オーブントースターも、新品のうちは焼けた樹脂のような臭いがしますし、電子レンジもその様な臭いがすることがあります。

今回の加熱調理器具も、「変な臭いがするので見てくれませんか」 と相談されたものです。
右図のA側よりも、B側でより強くクレゾール臭が感じられました。
本体はどうかと、ドライヤーで加熱したのですが、スチレン系の臭いが微かにする程度で問題ありませんでした。

と言う事はと、図の回転シャフトを外してみると、シリコーンゴムのパッキンと、樹脂製のスペーサーが取り付けてありました。 この樹脂製のスペーサーは、厚みが1mmにも満たない薄いものですが、数枚挿んでありました。

少しクレゾール臭を感じましたが、まさかこんなに小さくて薄いものが異臭の原因にはならないだろうと思いつつ、180℃で焼いてみると・・・何と、クレゾール臭が強くなってきたのには驚きました。

「原因は、このスペーサーだったのか!」
原因が判れば後は簡単。 スペーサーを替えるか、180℃で空焼きしてクレゾールを飛ばすかを実行するだけです。
今回は180℃で数時間空焼きして、クレゾール臭を飛ばす事にしました。

数時間後、異臭は完全に無くなっていました。 空焼きされた樹脂スペーサーは若干色が濃くなり、寸法も少し小さくなりましたが、元に戻せました。 シリコーンゴムのパッキンも洗浄しグリスを差し替え、シャフト回りも洗浄して、元に戻して出来上がりです。

次の日持って来てくれた、心のこもった、異臭の無い!その食べ物は、本当に美味しかったです。
「初めてだったので、最初は、手作りの味はこの様な味だと諦めていました。しかし、こうして原因が判って異臭を排除し、本当に美味しく作る事ができて、ますます手作りが楽しくなりました!」 と依頼者も喜ばれていました。

今回異臭原因となっていたスペーサーは、フェノール系の樹脂だと思われます。 フェノール系の樹脂は、赤褐色に着色した樹脂で、硬くて、耐熱性があり、電気絶縁性も良好なので、電化製品等の加熱部で使われています。

これらの樹脂は、ベークライトとも呼ばれる事もあります。 フェノール系樹脂にも色々な種類があり、フェノール・ホルマリン樹脂(フェノール樹脂)、クレゾール・ホルマリン樹脂、変性フェノール樹脂等があります。

異臭で注意をしないといけないのは、クレゾール・ホルマリン樹脂で、原料のクレゾールが安価なので樹脂は安いのですが、硬化に必要なのは、m-クレゾールのみで、硬化に関与しないo-クレゾールやp-クレゾールが樹脂中に残留して異臭を発生する場合が有る様です。

一寸した不注意から発生した異臭で、本来美味しく仕上がるはずの食品が不味くなります。 これは本当に残念で、得られるべき価値が下がると言う意味でもったいない話です。 異臭に関しては小さな部品一つにも細心の注意が必要な事を、今回改めて思い知りました。

-無類のパン派より-
(2010年3月)
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