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Home > コラム > 第12回 ウエットティッシュからバタースコッチの甘い匂いが?
第12回
ウエットティッシュからバタースコッチの甘い匂いが?
今回依頼者から、「安売りで買ったウエットティッシュから、バターや甘いヨーグルトの様な匂いがするのですが、安物だからしょうがないのでしょうか?」 との相談を受けました。

匂いを嗅ぐと、異臭品からは正常品で感じられるアルコールの匂いと、バターやバタースコッチ(バターと砂糖も混ぜて加熱したお菓子類)或いは甘いヨーグルトの匂いが感じられました。 その場で、「安売りの商品だから匂いがする」 というのは絶対に無い事を伝えておきました。

今回の様なバターやヨーグルトの甘い匂いを感じるものとしては、アセトインジアセチルといった物質が良く知られています。
アセトイン ジアセチル

2つの構造は図の様に良く似ていますが、アセトインの方が酸っぱく感じ、ジアセチルは焦げた様な甘さがあります。
天然にも広く存在していますし、香料としても乳製品を主体に幅広く用いられています。

さて、匂いの分析ですが、ウエットティシュの主成分であるエタノールが分析の妨害となる事と、アセトインやジアセチルが水に溶解し易い為、溶剤による抽出および濃縮ができないので慣れないと少し難しいです。

今回は、ヘッドスペースバイアル瓶にティシュを1枚入れ、加熱してGC-MSで分析する事にしました。

分析結果は右図に示した様に、異臭品にのみジアセチルが微量検出されました。 アセトインは検出されていません。

と言う事で、ウエットティシュから感じられたバタースコッチの甘い匂いの原因物質は、ジアセチルである事が判明しました。

ジアセチルの閾値はppbオーダーと低く、極微量存在しただけで甘いバター様臭がします。 ジアセチルは、酵母や乳酸菌によって生成する事が知られていますが、今回調査したウエットティシュから一般細菌をはじめ酵母や乳酸菌は検出されませんでした。
匂い成分のGC-MS分析チャート
匂い成分のGC-MS分析チャート

製造後ある時期に乳酸菌等が繁殖していた可能性が高いのですが、その後死滅していれば、今となっては菌が原因であったかどうかを知るすべはありません。 しかし、匂いだけは残っているのです。 匂いがすると言う事は、匂いの原因物質が必ず存在し、またそのにおい原因物質が生成した原因も必ずあります。

異臭分析者としての悩みは、今回の様に異臭原因物質は判ったが、その発生原因が判明しない事です。


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「梅酒の匂いかと思ったら、油性マーカーの匂いだった。 ○か×か?」
http://kotonoha.cc/no/115362
答えは、○です。梅の香り成分には、ベンジルアルコールが含まれています。
油性マーカーペンには、ベンジルアルコールを含む製品もあります。(第10回コラム
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(2010年5月)
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