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Home > コラム > 第15回 (続)消毒臭・カルキ臭 - 電化製品から消毒臭?
第15回
(続)消毒臭・カルキ臭 - 電化製品から消毒臭?
電子レンジで加熱している時、新品のパソコンの電源を入れた時、最近買った電子辞書、連続運転中のコピー機など、塩素消毒と一見何の関係もなさそうなところから消毒臭がすることがあります。

最近購入した電子辞書(写真1)から樹脂の焦げた様な消毒臭が感じられました。

また電子レンジの樹脂製のドア(写真2)からも同じ様な消毒臭が感じられました。
写真1
消毒臭のする電子機器
写真2
消毒臭のする電化製品

と言う事でドアの一部を削り取り、分析した結果が図1です。 強烈な消毒臭が感じられたピークは、2,6-ジブロモフェノール(2,6-DBP)でした。 消毒臭やカルキ臭は、塩素化合物だけではなく臭素化合物でも感じられることが知られています。 その代表が2,6-ジブロモフェノールです。 前回のクロロフェノール類と同様に、2,6-ジブロモフェノールは閾値が低く(臭いが強く)、2,4-ジブロモフェノールと2,4,6-トリブロモフェノールは閾値が高く(臭いが弱く)なります。

図1.電化製品の樹脂部分析結果
図1.電化製品の樹脂部分析結果

では、どうして樹脂からブロモフェノール類が検出されるのでしょう。 実は、樹脂に含まれる難燃剤にヒントがありました。 電化製品の樹脂には、火災を発生させない様に難燃剤が添加され、火が出にくい様に工夫がされています。 図2難燃化エポキシフェノールもその一つで、樹脂に添加されています。

図2.樹脂用難燃剤の例
図2.樹脂用難燃剤の例

図2の様に、原料は2,6-ジブロモフェノールで、合成すると臭素化エポキシフェノール樹脂となります。 合成原料がppbレベルで残留するのは通常どうしようもないことです。 しかし、2,6-ジブロモフェノールの様に閾値がpptという物質の場合臭いとしては問題となってしまうのです。

電子レンジはさておき、使っている人にとって携帯電話や電子辞書、火災と異臭どちらが問題なのでしょう?
(2011年10月) 
 
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