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Home > コラム > 第40回 「白いちご」の香り -「赤いちご」と「白いちご」の違い
第40回
「白いちご」の香り -「赤いちご」と「白いちご」の違い


白いちごは2013年頃から、ルビーチョコは2020年頃から市場に出回り始め、最初は色の違いの珍しさから話題になりました。 2024年の現状はどうでしょう。白いちごもルビーチョコも発売当初の様な勢いはなくなっている様に感じます。

どちらも発売当初に、値段は高かったのですが購入し、香りと味を確かめてみました。 白いちごは、赤いちご特有の甘酸っぱい香りが無く、リンゴやパイナップルの様な甘い香りが感じられ、いちごとは違う果物の様な印象でした。

ルビーチョコは、今までのチョコと違い、カカオの甘ったるさが無く少し酸味が感じられ、これもチョコとは違うような印象でした。
赤と白、黒とルビー色、全く違う色という珍しさで最初は話題になった商品も、結局は美味しさを決める香りで長く受け入れられるかが決まるのではないかと思います。

今回は、白いちごと赤いちごの香りの違いを分析してみました。 白いちごの特徴である、①色が白い、②果肉が白く白いまま完熟する、③赤いちごの甘酸っぱさと比べリンゴやパイナップルの様な香りがする、の内の③の解明です。 香り成分の違いを、生のいちごの状態で、SPMEで香りを捕集し、GC-MSで分析しました。

いちごの香りはデリケートで、溶剤抽出や加熱分析すると、いちごジャムの香りに変化し、分析結果が生のいちごの香りではなく、ジャムになったいちごの香りになるので注意が必要です。 分析結果は、別紙1に示しました。

別紙の様に、香り成分が赤いちごと白いちごでは全く別物で、赤いちごの甘酸っぱい香りの成分である、酪酸メチルやイソ吉草酸メチルが、白いちごには無いことが判りました。 そして、白いちごには、赤いちごには無い、リンゴやパイナップルの甘い香りの成分である、カプロン酸エチルやオクタン酸エチルとオクチルアセテートが多く含まれていることが判りました。


この様に、赤いちごと白いちごは、形は全く同じですが、色と香りが異なっているので、いちご本来の甘酸っぱさを求める人にとっては、美味しくないと感じてしまうのかもしれません。そして、白いちごのリンゴやパイナップルの甘い香りは、リンゴやパイナップルの香りの成分であり、わざわざ高級な白いちごを買わなくても、オリジナルのリンゴやパイナップルを食べれば十分楽しめることを付け加えておきます。

しかし、白いいちごに、赤いいちごには無いリンゴやパイナップルの様な甘い香りを求める人にとっては、非常に美味しいいちごと評価されます。 但し、最近の美味しいいちご作りの状況や、いちごの売れ筋品種を見る限り、白いちごの香りが高評価化というと、どうもそうではなさそうです。

 
 
 
 
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